2015年11月11日水曜日

【幸せ】ミャンマーで断捨離【Happy】

11月9日午後3時半から午後4時半くらいの間、激しい豪雨があった。雨期はすでに終わったというのに。
約一ヶ月前に自宅が浸水したこともあり、少しばかり心配になる。あの時は、蔵書が泥まみれになって泣く泣く50冊以上の本を捨てたし、カバンにも靴にも服にもあらゆる持ち物に泥が入り込んだため、大変な思いをして復旧した。
まさか、あんなことが二度も起こるわけがない。しかも、すでに雨期は終わっている。

甘かった。ここはミャンマー。
いつも想定外のことが起こる国。

仕事帰りにビールを引っ掛けて、ほろ酔い気分でサンチャウン通りを歩いていると、自宅が近づくにつれて、住民が家の中から水を掃き出す光景が目に入るようになる。
不安でだんだん動悸が激しくなる。


自宅の門前に立つと、もの凄く嫌な予感がする。
恐る恐る鍵を開けると、暗くてよく部屋の中が見えないものの、異様な状態になっているのが臭いや雰囲気で分かる。
とりあえず玄関口に戻って、入口に5分程座って、動揺した気持ちを落ち着かせる。
それから覚悟を決めて、中に入ることにする。
膝まで水に浸かって、壁伝いに移動して、手探りで電気のスイッチを入れた。


果たして部屋は、再びウォーター・ワールドと化していた。


よしツイている。前回とは違って、キャビネットが濁流に倒されてテレビが水没していない。キャビネットとテーブルの上に置いた物も、無事のようだ。
今は、水が引いて水深30cmくらいだが、壁に残った泥の後を見ると、最大時70cm程度だったことがことが分かる。要するに70cm以下に置いた物は、すべて濁流に呑まれている。洗濯機と冷蔵庫はベッドは、今回も濁流に流されてひっくり返っている。
前回同様、本棚の二段目までに置いた本は泥まみれになっていた。 ビジネス本は二段目に置いていたので、今回の浸水でほぼ全滅した。DVDは今回もけっこうやられた。
文芸書は三段目以上に置いていたので、無事だった。よしツイている。


大量の泥水で部屋が満たされいて、一人ではとても復旧できないので、人を呼んでもらって、四人掛かりで復旧の作業をする。バケツで泥を掬い、外へ出す。3時間くらいで、汲み出しは完了。思ったより、早く済んだ。ツイている。


人が帰った後、2時間くらい一人で作業をしてると日付が変わっていた。
なんとか座れるようになった部屋で、ミャンマー・ラムを飲みながら、この出来事は何を自分に教えてくれているのかをつらつらと考えた。

物が損なわれて、気持ちが落ち込むのは、物に執着しているから。
仏陀が言うように、形ある物は必ず変質する。物はいつしか壊れる、人は必ず死ぬ。
そして、人間は形ある物にとらわれるから苦しむ。
二度の浸水は、物への執着を捨てることを促しているのではないか。
前回もそう思ったが、それ以降も新たな本や服を買ったりして、相変わらず物を増やしていたので、季節外れの豪雨が起こした浸水で、執着を捨てることをもう一度思い起こさせてくれたのか。
いわば、天から贈られた断捨離。
流石、上座部仏教の国。自然現象が起こす具体的な体験で、仏の道へと導いてくれるのか。
よし、もう物を買うのは止めよう。
生活に必要な最小限の物だけで、生きて行こう。今風の言い方をすると、これからはミニマニストとして生きて行こう。
積ん読本ももう買うまい。冷蔵庫も壊れたけど、どうせビールを冷やす以外の使い方をしていないから、修理もすまい。
残された本だけを読みながら、これから生きて行こう。
ビジネス本が全滅した後に残っている本は、カフカとかニーチェとかボルヘスとかで、こんな本ばかり読んでいるとさらに偏向した人間になりそうだけど、それが仏の教えなら仕方あるまい。
良かった。物への執着を捨てて、自由になる道筋ができた。

 

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2 件のコメント:

  1. そう、レコスケさんツイてる!でもなんか泣けてきた。
    私のすべての持ち物は、しぶしぶ持ってる学習の本を捨て、太ってもう入らなくなった服を捨てるとスーツケース3個分と段ボール1箱となります。
    CDも本もすべて処分しました。置いておく場所がないから。
    日本のミニクラに預けているアルバム1箱だけが私の帰る場所の根拠です。月200円!安いね、たぶん。
    寂しがりはミニマリストに向かないけど、そうなっちゃったんだよね。

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    1. 高城剛によると全財産がスーツケース2個に収まるようにするのがベストらしいですね。ミニマニに生きるのが、これからの正しい生き方かもしれません。特に海外在住者にとっては。

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